110億光年彼方で高速銀河衝突を観測
チリの望遠鏡で、110億光年彼方での高速銀河衝突が観測され、クェーサーが周辺銀河の星形成に影響を与える様子が明らかに
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チリにある望遠鏡を用いた天文学者たちが、110億光年彼方で発生した2つの銀河間の高速衝突を捉えました。この観測は、宇宙で最も明るいエネルギー源であるクェーサーが、どのようにその周辺環境を形成し、銀河の進化に影響を与えるかを直接観察する貴重な機会を提供しました。
この新たな研究では、画像右側の銀河に存在する積極的に物質を吸い込むブラックホール、すなわちクェーサーが中心にあり、その左側の隣接する銀河が強烈な放射線によって攻撃され、新たな星の形成が妨げられている様子が記述されています。フランスのパリ天体物理学研究所の研究者で、この研究を共同主導したパスカル・ノテルデーム氏は、「このシステムを『宇宙の騎馬試合』と呼んでいます」と述べています。
J012555.11−012925.00と名付けられたこのクェーサーは、通常非常に明るく、その周辺を圧倒する光を放ち、光学画像では単一の光点として支配的です。この発見は、クェーサーが銀河の進化に及ぼす影響を理解する上で重要な一歩となります。