超分解能X線分光法により価電子ダイナミクスを解明

強力なX線パルスが高密度メディアを通過する現象、例えば原子X線レーザーや自己誘導透過性、刺激X線ラマン散乱（SXRS）などが観測されています。SXRSは、価電子波束を発生させて探る手段として、また非線形X線分光法の構成要素として長年予測されてきました。しかし、これまでのSXRSの実験結果は、分光情報を提供することがなかったため、理論モデルではアト秒の位相コヒーレントパルスが用いられてきました。今回、私たちはSXRSを分光精度で実証し、ネオンにおける価電子励起状態を、0.1 eVのエネルギー分解能と40フェムト秒の時間分解能を持つジョイントエネルギー–時間分解能で検出しました。この成果は、X線分光法における新たな進展を示しています。