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LHC、トップクォーク対で量子もつれを初めて検証

LHCでトップクォーク対を用いた量子もつれの検証が行われ、重粒子における初の観測が期待されている。

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量子もつれとは、二つの粒子の状態が本質的に結びつき、一方の粒子の状態の変化が距離に関係なく瞬時にもう一方に影響を与える現象である。この非局所的な結びつきにより、もつれたパートナーを操作することで他方の粒子に影響を与えることが可能となる。アインシュタインはこの現象を「遠隔作用の不気味さ」と表現した。

これまで量子もつれは、原子、電子、光子などの系で観測されてきた。しかし今回、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)では、重い素粒子であるトップクォーク対を用いて量子もつれの検証が行われることになり、重粒子における初の観測となる可能性がある。

この研究は、量子力学の基本的な性質をより深く理解する手がかりとなるだけでなく、将来的には高エネルギー物理や量子情報科学における応用にもつながると期待されている。