ティム・バーナーズ=リー氏、新たなオープンソース型データ標準の必要性を訴え AIとデータ乱用に警鐘
ウェブの生みの親ティム・バーナーズ=リー氏は、データ乱用とAIの弊害に対抗するため、新たなオープンソースの相互運用可能なデータ標準の導入を提案した。
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ワールド・ワイド・ウェブの発明者であるティム・バーナーズ=リー氏は、英紙ガーディアンへの寄稿の中で、現在のウェブのあり方に強い懸念を示した。氏は「ウェブ1.0の理想とウェブ2.0におけるソーシャルメディアの台頭の間で、私たちは間違った道を進んでしまった」と述べ、ウェブが本当に自由な場であり続けているのか疑問を呈した。
バーナーズ=リー氏は、大手プラットフォームがユーザーの個人データを収集し、商業ブローカーや抑圧的な政府と共有している現状を批判。また、設計段階から依存性を高めるよう作られたアルゴリズムが、特に若者のメンタルヘルスに深刻な影響を与えていると警告した。さらに「多くのプラットフォームでは、ユーザーは顧客ではなく製品となっている」と述べ、匿名化されたデータであっても意図せぬ第三者に売却され、広告やコンテンツのターゲティングに利用されている現実を問題視した。
こうした状況を打開するため、氏はオープンソースで相互運用可能な新しいデータ標準の確立を提唱し、AIの悪用や個人データの搾取から人々を保護する枠組み作りを急ぐ必要があると訴えている。