アマゾン、触覚を持つ新倉庫ロボット「Vulcan」を公開―従業員の代替ではないと強調
アマゾンが触覚を持つ新倉庫ロボット「Vulcan」を公開したが、従業員の代替ではなく高スキル雇用の創出を目指すと発表
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アマゾンは、触覚を備えた新たな倉庫ロボット「Vulcan」を公開した。このロボットは、これまで人間にしかできなかった作業を処理できる能力を持つ。アマゾンは水曜日、ドイツでのイベントでVulcanを発表し、CNBCは4月にワシントン州スポケーンの倉庫でVulcanが黄色い高さのあるビンに商品を収納する様子を独占取材した。ロボットの「手」を近くで見ると、AI搭載センサーにより触れた商品の感触を感知し、必要な正確な圧力やトルクを判断する仕組みがわかる。この革新的なグリッパーにより、Vulcanはスポケーン倉庫にある100万点の在庫の75%を扱うことができる。
アマゾンは2021年から他のロボットアームを倉庫で使用してきたが、それらはカメラによる検知と吸引による把持に依存しており、扱える商品の種類に制限があった。Vulcanは1日20時間稼働可能で、アマゾンロボティクスチームを率いるアーロン・パーネス氏によると、Vulcanは従業員を代替するのではなく、ロボットの保守、操作、設置、製造に関わる新たな高スキル雇用の創出につながるとのことだ。将来の倉庫の完全自動化について尋ねられたパーネス氏は、「完全自動化はありえない」と強調。「Vulcanに100%の収納やピッキングをさせるのは不可能で、そんなことを待っていたら一生かかる。アマゾンはそのことを理解している」と述べた。
Vulcanの目標は、人間が届きにくいビンの上段での収納作業を100%担当することだ。Vulcanは人間の作業者と同等の速度で動作し、最大8ポンドの商品を扱える。安全のため、人間から隔離されたフェンス内で稼働する。アマゾンは、Vulcanが倉庫作業の効率化を支援しつつ、従業員との協働を重視する姿勢を示している。