ノルウェー、「電動車100%達成」を宣言 EV優遇策の見直しへ
ノルウェー政府は新車販売の100%電動化目標を実質的に達成したとして「ミッション完了」を宣言し、EV優遇制度の見直しを進める方針を示した。
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ノルウェー政府は、2025年までに新車販売をすべて電気自動車(EV)にするという国家目標を実質的に達成したと発表し、「ミッション完了(Mission Accomplished)」を宣言した。これは、同国の環境政策とEV普及戦略が世界的な成功例となったことを意味する。
財務大臣ジェンス・ストルテンベルグ氏は、「2025年までにすべての新型乗用車を電動化するという目標を掲げてきたが、すでにその目標を達成したと言える」と述べた。ノルウェーは世界で最も高いEV普及率を誇り、持続可能な交通の実現に向けた先進国として注目されている。
同国政府は現在、EV市場の成熟化を踏まえて優遇制度の再調整を検討している。これまでのEV購入に対する付加価値税(VAT)免除措置は引き続き維持されるものの、50万ノルウェークローネ(約4万9,000ドル)を超える高級車については対象外とする方向だ。この見直しにより、より多くの一般消費者が恩恵を受けられるようにすることが目的とされている。
この政策転換は、EVがもはや特別な存在ではなく、標準的な選択肢となったことを象徴している。ノルウェー政府は今後も再生可能エネルギーの利用拡大やインフラ整備を通じて、脱炭素社会の実現を目指す方針だ。