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NASAのSPHEREx望遠鏡、2年間の宇宙マッピングミッションを開始

NASAのSPHEREx宇宙観測所が、102の赤外線波長で全天をマッピングする2年間のミッションを開始し、数億の銀河の3Dマップを作成し、宇宙の起源を探る

最新の更新 2025-05-02 19:06

NASAは、SPHEREx宇宙観測所による2年間のミッションを開始しました。この野心的なプロジェクトは、102の赤外線波長を利用して全天をマッピングし、1日に約3,600枚の画像を撮影することで、数億の銀河の3Dマップを生成します。このミッションは、宇宙膨張(インフレーション)、銀河の起源、そして我々の銀河である天の川に存在する生命の構成要素に関する新たな知見を解き明かすことを目指しており、分光法を用いて宇宙全体の光と物質を分析します。

地球軌道に位置するSPHERExは、地球や太陽からの干渉を避けながら宇宙の暗闇を見つめます。計画された25か月の観測期間中に11,000回以上の軌道を周回し、1日に約14.5回、地球の北極から南極を通過する軌道をたどります。毎日、観測所は空の円形の帯に沿って画像を撮影し、地球が太陽の周りを移動するにつれて視野が変化します。6か月後には、SPHERExはあらゆる方向の宇宙を観測し終える予定です。

SPHERExが空を撮影する際、捉えた光は6つの検出器に送られ、それぞれ異なる波長の光を捉えた独自の画像を生成します。これら6枚の画像が1つの「露出」を構成し、SPHERExは1日に約600回の露出を行います。露出が終わると、観測所全体が位置を調整しますが、他の望遠鏡のように鏡や検出器を動かすのではなく、推進器を使わず、宇宙船内部で回転する反応ホイールのシステムを利用して向きを制御します。

数十万枚のSPHERExの画像は、2年間で4つの全天マップとしてデジタル上で統合されます。この詳細なマッピングにより、ビッグバン直後の最初の瞬間、つまり宇宙が1兆の1兆倍に膨張したとされる宇宙膨張(インフレーション)と呼ばれる出来事が起こった時期について、新たな洞察が得られるでしょう。このミッションは、宇宙の形成を決定づけた基本的な出来事への理解を深めることを約束しています。